先日、yahooニュースでこんな記事が出ていました。
「意外と高価で買い取りを…あのブックオフが「銀歯」の買い取りを始めた理由」
歯科医院で使用する金属は、金銀パラジウム合金と言って、「金:12%、パラジウム:20%、銀:約50%、銅:約10%」から組成される合金です。歯科治療で用いられる際は、一般的に銀歯や銀の詰め物とも呼ばれます。
その中にはレアメタルと言われるパラジウムが配合されており、主に自動車の排気ガスに含まれている有害な化学物質の浄化をサポートする自動車排ガス触媒や電子回路の基本となるコンデンサという電子部品に使用されているそうですが、これが近年高騰しているのです。
ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、20年前に比較すると10倍くらい価格が違います。
昔に比べれば銀歯の料金も上がっているのに、お気づきの方もいたでしょうか?
ブックオ◯さんはこれに目をつけたのでしょうが、果たして口の中に入っていたものを患者さんに返して医療の専門ではない業者に売っても良いのだろうかと考えてしまいます。記事を読むと、抜けた歯についた銀歯をそのまま持っていこうかなとコメントもありましたが、そもそも口の中にあるものは歯科医院では感染性の廃棄物として専門の業者に引き取りに来てもらっています。例えば血液がついている銀歯を買取店に持ち込み、その店員が感染などしたら誰が責任を取るのでしょうか?もちろん抜けた歯を持ち込むなんて…
あまりおすすめはしていませんが、当院ではご希望のある患者さんにはお返しする予定ではあります。
ただ、最近では歯科用金属によるアレルギーが問題になっており、金属を使用すること自体をおすすめしておりません。
保険治療を行うにはまだまだ、金属を使用することが多いのですが、可能であればセラミック等での治療をおすすめしております。
そして、そもそも当院では削って被せる治療をしたくないと考えています。
削る治療は歯の寿命を短くします。削るのではなく、虫歯や歯周病から歯を守ることを一番に考えています。
歯医者さんに定期的に歯石とりするだけでは歯は守れません。しっかりと診断を行い、虫歯や歯周病の原因を考え、個人のリスクを解明し、予防をしていきましょう。